記事を担当するのは「まだ」です。
~こんな人に読んで欲しい~
- 現在ポスドクの人
- 研究職を目指している人
- ポスドクのリアルな年収事情が知りたい人
現在、地方の旧帝大で研究職として働いています。
研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってからなので、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。
そんな研究人生で私もポスドクも経験しました。
ポスドクについてよく聞かれる事項として
- ポスドクってなに?
- 仕事なの?
- 給料ってもらえるの?
です。そもそもポスドクが何かよくわからないので、「アルバイトなの?」みたいに思われている方もいます。
ということで今回は、、、
- ポスドクってどんな仕事?
- ポスドクの年収は?
などについて記載していきます。
まずは研究職から・・・
ポスドクの説明の前にまずは研究職から。
研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。
研究職は「基礎研究」と「応用研究」に分類できます。
基礎研究
基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。
基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。
応用研究
応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、
実用化に向けて発展させる研究です。
応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。
ポスドクとは
まず始めにポスドクとは何かをお話します。
ポスドクとは・・・
ポスドクとは、大学院博士後期課程を修了後に就く、
大学等の研究機関での任期付きの研究職のポジションのことです。
任期はおおよそ3~5年が多いです。博士研究員とも呼ばれます。
さらに、大学教員のように教育に従事することはできません。
ということで、ポスドクはあるプロジェクトの遂行のために雇用されるポジションで任期が終わると出ていく必要があります。
任期満了になり何度も研究機関を渡り歩くことも普通にあります。
ポスドクの人は皆、早い段階で任期の定めのない助教などのパーマネント職に就くことを目指して研究しています。
ポスドクの年収について
ポスドクの年収は?
ポスドクの年収は約400~600万円です。
30代の平均年収が430万円程度なのでポスドクの年収は同じか少し高いぐらいです。
実際に私は、博士後期課程修了後、年収450万円で地方大学でポスドク(任期3年)をしていました。
しかし、私の場合は運よくポスドク1年目で他の大学の助教のパーマネント職に就くことができました。
なお、一般的にポスドクにも常任職と同様、社会保障などの制度もあります。
ポスドクの年収は高くない!?
いや年収400~600万なら高いのでは?
っとなるところですか、実は場合によっては決して高いとは言えません。
年収400〜600万円と幅がありますが、年収600万近くの上位層は有名大学や国の研究機関のポスドクの年収です。
博士後期課程を修了する年齢がおおよそ27歳です。
その後ポスドクになると、20代で年収400~600万円もらえるので、たしかに同年齢で比較すると少し高いかもしれません。
しかし、ずっと年収が上がらなかったらどうですか?
残念ながら任期満了までの3~5年の間に次の助教などのパーマネント職に就くことができなければ大学を出て行く必要があります。
そして、またもう一度任期付きでポスドクに就きます。
新しい大学に移った後も残念ながら年収は上がるわけではありません。
年収400~600万円で変化なしです。この時大体30〜32歳です。
この年齢だとまだまだ全然良いですが、私がこれまで見てきた中では、色々な大学を渡り歩き、40歳近くまでポスドクをしている人も沢山います。
27歳で博士課程修了後、ずっとポスドクから上がることができず、40歳で年収450万円だとしたらどうですか?
決して高いとは言えません。
なので年収だけみると高そうですが、年齢を考えると実際そうでもないということです。
さらに落とし穴が・・・
実は更なる落とし穴が待っています・・・。
なんと助教になってもそこまで給料は上がりません!
上がっても正直年間で100万円あがれば御の字です。
なので、ここも考慮に入れるとポスドクだけではなく研究職自体の年収が高いとは言えないところがあります。
👇研究職の年収について記載した記事はこちら
一生ポスドクで終える人も…
大学で働こうとするとほぼ必ずポスドクを経験することになります。
ポスドクの期間に、論文や学会発表など研究実績を積み、助教などのパーマネント職を目指します。
しかし、3~5年の間に十分な研究実績を積めないと、先程も記載したように再び他の大学でポスドクを繰り返すことになります。
先程もご紹介した「研究職の年収について記載した記事」で、大学教員の職位と年齢について以下のように記載しました。
- ポスドク:27~30歳
- 助教:30~40歳
- 准教授:40~50歳
- 教授:50~65歳
助教の平均的な年齢は30~40歳です。
これだと40歳までに助教になれたらいいや!と思うかもしれません。
ただ、現実はそんなに甘くありません。
大学としても若くて優秀な人材を助教として雇用したいという考えがあります。
40歳近くまでポスドクをしていると、すごく悪い言い方をするなら
「40歳近くでまだポスドク??」ってなります。
そして、うかうかしていると下の世代の優秀な人材が入ってきて先を越されてしまいます。
なので、早めに助教になっておかないとチャンスはどんどん減ってしまします。
多くの場合は、40歳を超えると大学で働く道をあきらめて、他の仕事に就くことになります。
任期付きポスドクで不安定な人生を歩んで、最終的に民間企業や塾の講師などに就職した人を何人も見てきました。
最近は少子化の影響で、大学の常任教員のポジションも減る傾向にあるので、任期がないパーマネント職に就くのはなかなか難しいです。
まとめ
ポスドクとは
大学院博士後期課程を修了後に就く大学等の研究機関での任期付きの研究職のポジションのこと
任期はおおよそ3~5年
自分で考えた研究を自由にできるわけではない
助教などのパーマネント職に就けなかったらポスドクを延々と繰り返す
一生ポスドクで終える人もいる
ポスドクの年収
- ポスドク年収は400~600万円程度
- 実はポスドクの年収は年齢を考慮すると高くはない