研究職

准教授って何者?!准教授の凄さ語ります。

2023年10月1日

今回記事を担当するのは「まだ」です。

「まだ」は高校まで地元の田舎町で育ちました。

田舎といっても地方都市にはいまして、現在、地方大学の教育・研究職(助教)として働いています。

研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってから修士課程・博士課程と研究を続け、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。

将来、大学で研究者として働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

これまで私「まだ」はいくつか大学で助教(准教授の一つ下の職位)を経験してきました。その中でたくさんの准教授を見てきました。

今回は、「まだ」の経験から

  • 准教授とは
  • 准教授の年収と仕事内容
  • 准教授になるには

などについて記載していきます。

研究職とは

研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。

研究職は「基礎研究」「応用研究」に分類できます。

基礎研究

基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。

基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。

応用研究

応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。

応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。

准教授とは

准教授とは

「准教授」は、大学や学術機関における教員の職階の一つです。准教授は、助教と教授の中間のポジションに位置しています。

一般に日本では以下のように大学の教員の階層は分かれています。

  1. 教授(Professor): 最も高い階層で、その分野での優れた研究実績や経験を持つ者が該当します。通常、学位や博士号が必要です。
  2. 准教授(Associate Professor): 教授よりも下の階層で、研究や教育において一定の実績を持つ者が任命されます。准教授のポジションは、教授に昇進するための一つの段階とも見なされます。
  3. 助教(Assistant Professor): 新進気鋭の研究者や教育者が初めての教員ポジションとして採用されることがあります。任期の定めがある場合が多いです。

これらの役職は、研究研究や教育業績に基づいて昇進することが一般的です。准教授は、まだ教授の地位に達していないが、優れた業績を持ち、将来的に昇進が期待される状態にある教員です。

准教授の年収と仕事内容

具体的に准教授の年収と仕事内容を見ていきましょう。

まず年収から。

  • ポスドク(27~30歳*):400万円
    ※大学院博士課程卒を想定
  • 助教(31~40歳):550万円
  • 准教授(41~50歳):900万円
  • 教授(51~65歳):1100万円

准教授は年収900万円ももらっているのですね。

また准教授に昇進する年齢としては35~45歳が多いようです。

国税庁が出している「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均給与は約433万円、平均年齢は46.8歳ですので、准教授は2倍以上の給料をもらっているのですね。

では、仕事内容を見ていきましょう。

大学教員には一般に、以下に示す教育・研究・地域貢献・組織運営の4つを求められます。

  • 教育:授業や研究室の学生指導など
  • 研究:実験や計算、学会発表、論文執筆など
  • 社会・地域貢献:中学や高校への出前授業、学会委員活動など
  • 組織運営:学内の委員活動、入試対応など

教育では、助教は学生実験や演習を担当しますが、准教授以上になると、授業をする必要があります。年間3~5科目教えるのが普通でしょうか。

研究では、一般に助教は独立して研究室を持つことは少ないですが、准教授以上になると独立して研究室を持って研究を進めます。

また准教授以上になると教育・研究だけでなく、社会・地域貢献や組織運営などいろいろな仕事をバランスよくする必要があります。

准教授は年収は高いけど、大変な仕事なんですね。

准教授になるには

仕事内容は大変そうだけど、年収900万円は魅力的です。

ここからは准教授になるにはどうする必要があるのかについて記載します。

まずは博士号を取得することが大事です。そして、(ポスドク) ⇒ 助教 ⇒ 准教授 という順に昇進していきます。

「まだ」の印象では、助教から准教授に昇進するハードルが高い気がします。

助教までは比較的簡単になれても、准教授になるのに苦労している人はたくさんいます。

准教授に昇進する平均的な年齢は35~45歳ですが、ポスドクや助教のまま40代を過ぎてしまい、大学で働くことを諦め、民間企業等へ就職した人をたくさん見てきました。

大学教員の業務は主に上記の教育、研究、社会・地域貢献、組織運営の4つがあるのですが、研究業績が最も評価され、昇進に直結します。

特に大事なのが「学術論文」です。大学にもよりますが、地方大学では准教授昇任の基準は論文20編程度だと思います。

インパクトファクターの高いトップ論文誌(NatureやScienceなど)に論文が掲載されると昇進はぐっと近づきます。

また学術論文の次に重要なのが「外部資金獲得」です。

外部獲得資金とは、文部科学省からの科学研究費助成事業(通称、科研費)や民間企業との共同研究費や民間企業財団の助成金などで得られる資金のことです。

准教授に昇進するには過去数年間でに300万円程度の外部資金獲得実績があると昇進に有利に働きます。

つまり、学術論文20編と外部資金300万円が准教授昇進のボーダーになります。

論文を書いてお金を取ってこれるようになって初めて、准教授への道が開けてきます。

まとめ

今回は、准教授って何者!?准教授の凄さについて記載しました。以下にまとめます。

  • 「准教授」は、大学や学術機関における教員の職階の一つで、助教と教授の中間のポジションに位置しています
  • 准教授の年収は約900万円。主な業務は教育・研究・地域貢献・組織運営
  • 助教から准教授に昇進するには学術論文20編と外部資金300万円程度が求められる

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