今回記事を担当するのは「まだ」です。
「まだ」は高校まで地元の田舎町で育ちました。
田舎といっても地方都市にはいまして、現在、地方大学の教育・研究職(助教)として働いています。
研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってから修士課程・博士課程と研究を続け、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。
大学や企業の研究職の年収気になりますよね。
今回は、「まだ」の経験も踏まえて
- 大学の研究職の年収
- 企業の研究職の年収
- 大学と企業、どっちで働くのがいい?
などについて記載していきます。
研究職とは
研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。
研究職は「基礎研究」と「応用研究」に分類できます。
基礎研究
基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。
基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。
応用研究
応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。
応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。
大学の研究職の年収
早速、大学の研究職(大学教員)の年収について記載します。
大学の研究者の年収
教授: 700~1200万円
准教授: 600~900万円
助教: 400~700万円
ポスドク: 300~500万円
国税庁の調査によると日本人の平均年収は443万円ということなので、大学の研究職の年収はかなりいいですね。
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf
さらに大学教員は以下のような仕事を掛け持ちすることでプラスの収入を得ている人もいます。
- 外部からの研究資金獲得によるインセンティブ:大学外の企業や団体と共同研究などで研究資金を受け取ることがあります。ある一定以上の外部資金を獲得すると、大学から報奨金が支払われる場合があります。
- 大学外での講演やセミナー:大学外の企業や団体から講演やセミナーの依頼を受け、謝礼を受け取ることがあります。
- 大学内外でのコンサルティング:専門分野でのアドバイザーやコンサルタント業務を行うことで、報酬を受け取ることができます。
- 書籍や論文の執筆:専門分野での書籍や論文を執筆し、印税や報酬を受け取ることができます。
へ~いろんなかたちで副収入を得ることができるんですね~
なお、上記のような仕事を掛け持ちできるのは、基本的に准教授以上の先生になります。ポスドクや助教は任期付きのケースが多く、昇進のために研究業績を積むことが優先されます。
企業の研究職の年収
大学と違い企業の場合は企業の規模によって年収は大きく変わってきますが、企業の研究開発職の年収はおおよそ以下のようになっています。
企業の研究者の年収
部長クラス: 1000万円~
課長クラス: 700~1000万円
入社5年目: 500~700万円
初任給: 300~400万円
日本人の平均年収443万円に比較すると、企業の研究職の年収は高いですね。
初任給は300~400万円ですが、5年ほど働けば500~700万円まで上がるのは魅力的ですね。
そこから先、課長、部長など役職が付いてくると1000万円も見えてきます。
大企業になると、課長で1000万円~、部長で1500円~などの高い給料を設定している企業が多くなります。
大学と企業、どっちで働くのがいい?
さて皆さんは大学と企業どっちの研究職で働きたいと思いましたか?
大学教授や企業の部長クラスになると年収1000万円超えてきますが、その地位にたどり着くにた熾烈な競争を勝ち抜き相当な努力が必要です。
ここからは、大学で働いている「まだ」の意見も交えながら大学と企業の研究職どちらで働くのがいいのかについて記載していきます。
正直、どちらがいいかは人によります。(笑)
しかし、安定とお金を重視するなら企業の研究職が良いでしょう。
大学のポスドクは3年ほどの任期付きの非正規雇用です。大学でポスドクや助教になるためには博士号を取得しておく必要があります。
つまり、就職できるのは27歳で博士号を取得したあとになります。
28歳でポスドクになっても、企業の初任給程度しかもらえないことになります。さらに、任期付きですので任期が終わると大学を異動しなければなりません。
またポスドクは社会保険も十分でなく、生活していく上で不安要素が多いです。
一方、企業の研究職には修士課程修了後でも就職でき、終身雇用で社会保険もしっかりしています。優秀であれば学部卒でも研究職に採用される場合もあります。
さらに企業では入社して5年ほど経つと500~700万円ほどの給料がもらえ、大学の助教とほぼ同等の給料がもらえます。
大学では博士号を取得して5年経ってもポスドクで30代後半まで10年以上ポスドクをしているケースが普通にあります。
企業の研究職と比較して大学の研究職に就くメリットはあるのですか?
大学で研究をするメリットとしては、「自分の好きな研究をできる」に尽きると思います。
企業の研究職では、企業の方針に合致し、短期間で利益を生み出す研究しかできません。
一方、大学では自由な発想に基づき好きな研究ができます。「まだ」はこれまで、その研究をやって学術的・産業的に何の価値があるのかわからない研究をしている先生をたくさん見てきました。
大学はそれだけ自由ということです。
また大学は教育機関でもあるので、教育に携わりたい人は大学で働くのがいいですね。
なので、お金や安定性を重視するなら企業。自由な研究や教育を重視するなら大学といったところでしょうか。
まとめ
今回は大学と企業の研究職の年収について記載しました。ポイントを以下にまとめます。
- 【大学】 教授: 700~1200万円、准教授: 600~900万円、助教: 400~700万円、ポスドク: 300~500万円
- 【企業】部長クラス: 1000万円~、課長クラス: 700~1000万円、入社5年目: 500~700万円、初任給: 300~400万円
- お金や安定性を重視するなら企業の研究職
- 自由な研究や教育を重視するなら大学の研究職
- 大学教授や企業の部長クラスになるには競争を勝ち抜き相当な努力が必要