記事を担当するのは「まだ」です。
~こんな人に読んで欲しい~
- 研究室選びに迷っている人
- 研究職を目指している人
- 研究職の選びの正解を知りたい人
現在、地方の旧帝大で研究職として働いています。
研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってからなので、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。
学生の頃を含めると3つの大学を渡り歩いています。(笑)
今回は、3つの大学で数々の研究室と携わった経験から
大学での研究室の選び方
について記載していきます。
Contents
研究職とは
研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。
研究職は「基礎研究」と「応用研究」に分類できます。
基礎研究
基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。
基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。
応用研究
応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。
応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。
研究室配属とは?
一般に理系の大学では学部3年生の終わりに研究室に所属し、4年生からは卒業研究を開始します。
研究室といっても学科内に色々な研究室があり、もちろん人気の研究室、人気のない研究室と分かれます。
人気の研究室ともなると選考を行います。
選考の方法は、大学によって異なりますが、
- 成績(GPA)上位の人
- 大学院進学希望の人
- 面談で良いアピールができた人
などが選考を突破できます。
配属される人数については、研究室単位というより、私のような先生単位である場合が多いです。
おおよそ1人の先生あたり毎年5名程度学部の3年生が配属されます。
研究室の選び方
さて、今回の本題の部分に入ります。
研究室を選ぶ基準は人によってばらばらだと思います。
- 研究内容を重視する人
- 楽さを重視する人
- 研究室の雰囲気を重視する人
- コアタイムを重視する人
などなど様々です。
そこで今回は、以下の3タイプの人がどのように研究室選びをしたらいいかそれぞれについて記載していきます。
- 学部卒業後に就職
- 大学院修士課程後に就職
- 大学院博士課程後に就職
学部卒業後に就職する人の研究室選び
まずは、学部4年生で卒業する人がどのように研究室選びをすればいいかを記載します。
ポイント
楽に卒業できる(ゆるい)研究室
を選ぶべきでしょう。
学部で卒業を予定している人は、研究室配属の時期(学部3年の冬)にはすでに就職活動を始めていると思います。
なので、できるだけ就職活動の邪魔にならない(時間を拘束されない)研究室がよいでしょう。
就活が終わった後も比較的自由に時間を使えて、友達と遊んだり、就職後に向けて事前に勉強をしたりと、自分の望むように過ごせます。
楽に卒業できる(ゆるい)研究室を見抜くにはどうすればよい?
その先生の業績を見ましょう。
具体的には論文出版や学会発表などの研究成果発信の頻度です。
頻度が多いか少ないかは、先生同士の相対比較で判断しましょう。
大学のホームページや研究室のホームページを見れば業績はわかります。
論文出版や学会発表を頻繁にしている先生は、それだけ熱心に研究をしている場合が多いため、学生に求める成果(研究量)も多いです。
研究熱心な研究室に入ってしまうと、先生から次から次へと実験を与えられ、就活をしたりプライベートの時間が大幅に減ってしまいます。
そのため既に自分の中にやりたいことが明確にある人は、楽に卒業でき、あまりアクティブでない研究室を選ぶのがよいでしょう。
修士課程後に就職する人の研究室選び
次は、大学院修士課程を修了後に就職する人の研究室選びについてです。
ポイント
学会発表が多い
OBの就職先が良い研究室
を選ぶべきでしょう。
前提として、もちろん自分の興味がある研究をしている研究室に入るのがいいです。
しかし、大学院に行った後は就職しよう!と思っている人は、その研究室が学会発表をしてなかったり、OBの就職先が良くない場合、選択肢に入れない方がよいでしょう。
修士課程の後半は就職活動を始めます。就職活動でアピールできるのは学会発表の経験です。
また学会発表を通して、プレゼン力や資料を作成するスキルなどが身に付きます。さらに国際会議で発表経験があると英語力も身に付きます。
学会発表経験は客観性もあるため企業としても評価しやすいです。
なので積極的に学会発表をしている研究室から巣立ったOBは良い企業に就職している割合が高くなっている傾向があります。
学会発表できるレベルになるまでは、研究量も多く大変ですが、学会発表を通して様々なスキルが身に付き、また国内外のいろいろな場所へ行くことができます。
学会発表が多くOBの就職先も良い研究室を見抜くにはどうすればよい?
学会発表の情報は研究室のホームページに掲載されている場合もありますが、実際にその研究室に在籍している学生に学会発表の頻度やOBの就職先を聞いてみるのが良いでしょう。
博士課程後に就職する人の研究室選び
最後に大学院博士課程まで進学しようと考えている人がどうやって研究室選びをすればよいかについて記載します。
ポイント
研究が活発 & よく成果発信している研究室
を選ぶべきでしょう。
博士課程に進学を考えている人は将来、大学の教員か民間企業の研究職を目指している人がほとんどでしょう。
修士課程後に就職する場合、企業から学会発表の経験が高く評価されると記載しました。
博士課程では、学会発表経験はもちろんのこと、研究を活発に行いどれだけ成果発信しているかが研究室選びのポイントになります。
年間に論文を一報も書いていない、学会発表していない、競争的資金の獲得実績がない。こういった研究室は要注意です。
逆に、、、、、、
- 年間にインパクトファクター(論文の影響力を測る指標)の高い論文誌に何報も掲載している
- 国規模の学会発表に毎回定期的に参加している
- 科研費の獲得実績がある
こういった研究室は高いレベルで研究を活発に行っている証拠です。
このような細かい情報はどこで知れるのでしょうか。
最も役に立つのは、「reserchmap」だと思います。
これは国立研究開発法人科学技術振興機構が運営する日本の研究者の経歴や論文リストなどの研究者情報を収集したデータベースサービスです。
ポイント
博士課程まで進学する人は、自分の興味だけで研究室を選ぶのではなく、その研究室がどれだけ高いレベルで活発に研究を行っているのかを調査するようにしましょう。
まとめ
今回は、大学における研究室の選び方について記載しました。
将来の自分の人生設計によって、研究室に求めることは違ってきます。
今回は、学部、修士課程、博士課程に分けて研究室選びのポイントや注意点について 記載しました。
もちろん興味のある研究を行っている研究室に入るのは大事です。
しかし、興味だけで決めないようにしましょう。研究室に入ってから後悔することになります。
大学における研究室選びのポイント
- 学部卒業後に就職する人:
楽に卒業できる(ゆるい)研究室 - 修士課程後に就職する人:
積極的に学会発表している研究室 - 博士課程後に就職する人:
研究業績(論文、学会発表、競争的資金)がある研究室