研究職

大学の研究費ってどれくらいあるの!?あまり知られてない研究費について解説。

2022年10月26日

記事を担当するのは「まだ」です。

簡単プロフィール

  • 偏差値36のど田舎高校卒業
  • 大学から研究に目覚める
  • 研究職10年以上の研究職ジャンキー
  • 20代で助教就任
  • 現在、旧帝大にて助教として勤務中
  • 既婚で子ども1人います

~こんな人に読んで欲しい~

  • 研究職になるか迷っている人
  • 研究職を目指している人
  • 研究職のリアルな研究費事情が知りたい人

今回は、大学における研究費について記載します

研究に限らず何をするにしてもお金というのは付き物です。

大学ではどのくらい研究費を使っているのか気になりますよね。

実際に助教で働いている経験から

大学の研究室における年間の研究費

について記載していきます。

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研究職とは

研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。

研究職は「基礎研究」「応用研究」に分類できます。

基礎研究

基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。

基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。

応用研究

応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。

応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。

運営費交付金と競争的資金

大学教員は、運営費交付金と競争的資金を使って研究活動を行っています。

まずこの2つについて説明します。

運用費交付金

国の組織の一部だった国立大学が2004年に法人化されたことを受け、各大学の収入不足を補うために国が出している補助金のこと。

運営費交付金は大学を運営していくために使用されるため、研究費だけでなく、教育費や大学施設の維持管理費や教職員の人件費にも使用されます。

大学教員であれば、毎年自動的にもらえるお金になります。

競争的資金

資金配分主体が広く研究開発課題等を募り、提案された課題の中から、専門家を含む複数の者による科学的・技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者等に配分する研究開発資金のこと。

文字通り、応募した人全員が研究費をもらえるのではなく、応募者同士で競争させ優れた研究課題に対して研究費が配分されます。

これら2つの資金により研究活動を行っています。

ポイント

しかし、運営費交付金は年々減少傾向にあり、科研費などの競争的資金を獲得できないとまともに研究ができないのが現状です。

これは、国立大学の法人化以降「選択と集中」と呼ばれる競争政策を導入したためです。

「選択と集中」により、運営費交付金を削減し、代わりに研究者が応募・審査を経て獲得する競争的資金を手厚くすることで、効率的に研究成果を引き出すことができます。

これまでの大学教員の中には、運営費交付金をもらっていながら、研究成果を出さない人もたくさんいたということですね。(笑)

運営費交付金

より詳細にそれぞれの研究費を解説します。

競争的資金が取れているかどうかで研究費は大きく異なるため、ここでは基盤研究費である「運営費交付金」についてです。

各研究室に配分される運営費交付金は数十万円

私が勤めていた地方国公立大学の場合、年間25万円程度しかありませんでした。(笑)

運営費交付金は、東京大学や京都大学などの旧帝大に重点的に配分されるため、地方大学の研究室には20~30万円程度しか配分されません。

正直これでは研究はまともにできませんが、これが現実です。(笑)

  • 研究環境の維持費
  • 研究消耗品費
  • 学会出張費
  • 論文出版費

など、研究をすすめる上でたくさんの費用がかかります。

年間25万円では学生に学会発表させることもできませんね。(笑)

なので、競争的資金を取れるかどうかが、研究成果を出す上でも極めて重要になります。

競争的資金について以下に記載します。

競争的資金

運営費交付金だけでは研究を発展させるのは厳しいことがわかりました。

そこで重要になる競争的資金の獲得です。

競争的資金にはいくつか種類がありますが、代表的なものは科学研究費補助金(科研費)です。

科研費は、研究者の自由な発想により、研究課題を決め応募します。提出された申請書はその分野の専門家数名に審査され、採択されれば科研費をもらうことができます。

科研費はいくつかの種目に分かれており、3~5年で数百万円のものから数億円のものまであります。

採択率はおおよそ25%程度です。(種目による)

25%のうち、大半を東京大学や京都大学などの旧帝大が占めているため、残りを多くの地方大学で奪い合っている状況です。

よって、残念ながら、地方大学では毎年配分される20~30万円の運営費交付金で研究をしている先生がたくさんいるということです。

競争的資金は科研費以外にも科学技術振興機構が募集する研究課題や、民間財団の研究助成金などがあります。

競争的資金に採択されるには、もちろん魅力的な研究課題を発案できるかは重要ですが、日ごろから積極的な研究成果発信(論文や学会発表)し業績をつけておく必要があります。

大学の研究者はみんな、研究費を獲得するのに必死です。

競争的資金をどれだけ獲得できているかも、研究力を測る重要な指標といえるでしょう。

まとめ

今回は、大学の研究室における研究費について記載いたしました。

大学の研究室では、、、

  • 毎年自動的に配分される運営費交付金
  • 応募して採択されれば配分される競争的資金

主にこの2つで運営しています。

大学の研究室における年間の研究費

  • 運営費交付金は地方大学で年間20~30万円
  • 科研費などの競争的資金を獲得できればプラス数百~数億円
  • 科研費の採択率はおおよそ25%(大半は旧帝大)
  • 民間財団が企画する研究助成制度に応募して採択されれば年間100万円程度

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