記事を書いた『まだ』です。
助手の『だま』です。
「まだ」は高校までど地元の田舎町で育ちました。長く田舎・地方で生活している田舎者です。
最近では田舎といっても地方都市にはいまして、現在、地方大学の教育・研究職(助教)として働いています。
研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってから修士課程・博士課程と研究を続け、博士卒業後もいくつかの地方大学を渡り歩き研究を続けています。
かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。
正直言うと研究職は大変です。(笑)
学生と社会人では研究の大変さが違うなあと感じているところです。
実は研究以外にも色々な仕事があって大変なんですよ…
ということで今回は、、、
- 大学院の研究で大変なところベスト3
- 大学の研究職で大変なところベスト3
などについて記載していきます。
Contents
大学院時代(修士課程、博士課程)の研究で大変なことベスト3
限られた期間内での論文掲載
第1位 限られた期間内での論文掲載
「まだ」が大学院時代に最も変だったと感じていることは論文掲載です。
大学にもよりますが、博士課程卒業時に論文2報以上掲載が学位取得要件ではないでしょうか。論文さえ書けていれば修了できます。
しかし3年間で論文2報は結構大変です。
「まだ」の場合、修士課程と博士課程が同じ研究室だったので、1報目の論文は博士課程1年に掲載できましたが、2報目は博士3年の終わりの頃でした。
論文は書いてから、論文誌に投稿して、査読プロセスを経て掲載されるまで約半年ほどかかります。なので博士3年の前半には2報目の論文データを取得しておかなければなりません。
実質博士3年の前半が期限ということですね
論文を2報掲載するのは結構大変なので留年が必ずといっていいほど発生します。
留年する割合はというと、分野にもよりますが、3年間で修了できず留年する割合は2割ほどでしょうか?5人中1人は留年する計算です。
なかなか多いですね…
そうですね。ちなみに「まだ」が博士課程を経験して留年する人には共通点があると感じてました。
それは「実験をしない人」です。
論文を書くにはデータが必要です。データは実験や計算をしなければ出てきません。
逆にデータさえあれば、論理的にストーリーを組み立てて論文にできます。自分では論文にならないと思っているデータでも指導教員の先生たちは上手く論文の形にしてくれます。
つまり、大事なことは、
継続的に実験をしてデータを積み上げること
データ数が増えてくると、全体的な傾向が見え、何らかの形で論文にできます。
とはいえ実験は何パターンも仮説を立ててそれを一つずつ検証していく地味なモノも多く、3年間実験に対するモチベーションを維持できるかが大事になります。
モチベーションの維持
第2位 モチベーションの維持
第1位の最後にも書きました研究に対するモチベーションを維持することは大変です。
修士課程、博士課程の合計5年間、研究が上手くいっている時もあれば、全くダメな時もあります。
5年間もあれば色々ありますよね
そうですね。
実際に「まだ」も博士課程の数カ月は研究が上手くいかずモチベーションが下がった時期がありました。
また、博士課程の研究生活は孤独です。モチベーションが下がる時期が必ず来ます。
博士課程までいくと周りの同級生の多くはすでに就職しており、大学で話せる相手も少なくなります。
博士課程で感じたことは「最後は自分との勝負」だということです。
最後までやり抜けるかどうかは、その人の意思の強さにかかっていると思います。
博士課程に進む前に、なぜ博士課程に進みたいのか、よく考えておくと良いでしょう。
それが最後までやり抜くモチベーションとなります!
教授からのプレッシャー
第3位 教授からのプレッシャー
これは教授の先生によると思いますが、大体の教授はプレッシャーをかけてきます。
大学院生、特に博士課程の学生は研究室の戦力として教授から期待されています。
期待が大きい分求められる成果も大きいです。
博士課程においてどれだけ活発に研究しているかで、その研究室のアクティビティーやアウトプットが決まってくると感じています。
なので、博士課程の学生は、実験・学会発表・論文執筆・研究室維持などたくさん求められます。
大学院生は学生だからストレスがないと思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。(笑)
そういったプレッシャーを乗り越えられた人だけが博士号を取得できるのです。
大学の研究職で大変なことベスト3
研究テーマの設定
第1位 研究テーマの設定
ここからは大学の研究職(社会人)になってからのランキングですね!
博士課程を修了後、大学の助教になって最も変だったと感じていることは研究テーマの設定です。
学生の頃は、指導教員から研究テーマを与えられて研究をするのが一般的かと思います。
しかし、社会人になると自分で課題を見つけ出し研究テーマを設定する必要があります。ある意味自由ですが。
先行研究を調べ、課題を抽出し、誰も行ってない課題解決アプローチを考える。のは大変だと感じます。
さらに研究室には毎年、数名の学部生が配属されてくるため、一人ひとりに独立した研究テーマを与えなければなりません。
何十年も同じ研究テーマで研究している先生もいますが、これは良くないと思っています。
常に論文を読んだり、学会に参加して最新の研究動向をチェックしておくことが、研究ネタをつくるためには重要かと思います。
上司との関係
第2位 上司との関係
2位にしましたがこれが1位かもしれません。(笑)
大学院博士課程を修了後、助教として働いている「まだ」ですが、上司との関係は大変です。
大学教員に上司がいるのか疑問に思われる方もいるかもしれませんが、学位と取ったばかりの助教は一般に教授の先生の研究環境を借りて研究をスタートします。
なので、教授の先生が上司となり、共同で研究室運営をする形になります。
上司と研究や教育の方向性が違うとかなり大変(ストレス)になります。
どの仕事も同じですね…
実際に、上司との研究・教育の方向性の違いが原因で大学を異動した経験があります。(笑)
特に大学の先生は個性が強く、変わった人が多いため、そういった人と同じ方向を向いて仕事をするのは難しく、どこかで摩擦が生じます。
上記の大学院時代に大変だったこと第3位に「教授からのプレッシャー」を挙げましたが、社会人になるとプレッシャーとはまた違った大変さがあります。
完全に上司(教授)と価値観を一致すること不可能ですが、ある程度は一致している必要があると思います。
外部資金獲得
第3位 外部資金獲得
研究職も他の大半のお仕事と同じでお金が無ければ何もできません。常に外部資金がある状態を維持するのは非常に大変です。
大学の研究職において研究力はもちろん大事ですが、外部資金をどれだけ取れるかは研究や教育の成果に直結してくるため重要です。
装置や消耗品を買ったり、論文を出版したり、学生を学会に参加させたり、しようとすると年間数百万は必要になります。
そんなに!!
大学から各研究室に年間数十万程度は支給されますが、全然足りません。(地方大学の場合)
外部資金には、年間100万円のものから年間1,000万円や1億円のものまで様々です。
魅力的な申請書を提出し、採択されればお金がもらえます。しかし、魅力的だけではダメで、もちろんある程度の実績(論文)も必要になります。
なので、まずは質のいい論文を出版して、大きな予算の外部資金を取りに行く流れです。
論文が出版できなければ外部資金が取れず、研究費がなく研究が進まなず論文が書けない。という悪循環に陥ります。
学生の頃は、お金のことは気にせず、実験したり学会に参加していましたが、今思うとありがたいことだなあと思います。
まとめ
今回は、「大学院・研究職ってついていけないほどしんどいのか」について記載しました。
ついていけるかどうか、しんどいかどうかは人によって違うと思います。「まだ」が実際に大学院・研究職を経験して大変と感じたことをまとめました。参考にしていただければ幸いです。
- 大学院時代大変だったことベスト3
1位 限られた期間内での論文掲載
2位 モチベーションの維持
3位 教授からのプレッシャー - 大学の研究職で大変なことベスト3
1位 研究テーマの設定
2位 上司との関係
3位 外部資金獲得