研究職

博士課程進学のデメリットランキング!第2位は就職率の低さ、第1位は…。

2022年12月15日

記事を担当するのは「まだ」です。

簡単プロフィール

  • 偏差値36のど田舎高校卒業
  • 大学から研究に目覚める
  • 研究職10年以上の研究職ジャンキー
  • 20代で助教就任
  • 現在、旧帝大にて助教として勤務中
  • 既婚で子ども1人います

~こんな人に読んで欲しい~

  • 研究職になるか迷っている人
  • 研究職を目指している人
  • 研究職のリアルなメリット・デメリットが知りたい人

今回は、大学における博士課程進学のデメリットをランキング形式で記載します。

修士課程に進む学生は比較的多いと思いますが、博士課程に進もうという学生はかなり少ないのではないでしょうか。

これまでの私の10年以上の研究職での経験から

博士課程進学
デメリットランキング

について記載していきます。

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研究職とは

研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。

研究職は「基礎研究」「応用研究」に分類できます。

基礎研究

基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。

基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。

応用研究

応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。

応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。

博士課程とは?

博士課程とは

博士課程は、高度な専門性や研究能力に加え、研究者としての自立性を養う大学院の課程です。

一般に、2年間の修士課程(博士前期課程)を修了したのちに、3年間の博士課程(博士後期課程)に進学します。

博士号を取得するには、30単位以上の修得、博士論文の審査及び試験に合格する必要があります。

工学部における修士課程から博士課程への進学率は、平成30年において5.6%しかありません。

一方、学士課程から修士課程への進学率は36.3%です。

修士課程への進学率に比較し博士課程への進学率は極めて低いですね。

博士課程進学率は平成3年の8.9%から平成30年で5.6%と年々減少しています。

この博士離れは、日本の未来を考えると極めて深刻な問題です。

とはいいつつ、今から記載する博士課程進学のデメリットがあるので、そりゃ減るだろうとはなるのですが・・・。

博士課程進学のデメリット

さて、私が実際に博士課程を経験して感じた「博士課程進学のデメリット」についてランキング形式で記載します。

博士課程進学のデメリットは以下になります。

  • 経済的に負担がかかる。
  • 学部卒や修士卒に比較して就職率が低い。
  • 社会に出るのが遅れる。
  • 孤独とプレッシャーを感じる。
  • 旧友から変人として見られる。

第1位 経済的に負担がかかる

POINT

  • 国公立大学の場合
    入学料28万円+授業料52万円×3年=184万円
  • 私立大学の場合
    入学料20万円+授業料75万円×3年=245万円

第1位にランクインしたのは「経済的負担」

お金の負担には何者も敵いませんでした。

一般に日本の博士課程は3年間あり、入学料と3年間の学費の合計は国公立大学で184万円、私立大学で245万円がとなります。

高いですね。しかも博士課程は修了するのが学部時や修士課程時に比べて難易度が上がります。

なので、3年間で修了できない場合も4年、5年とさらに学費が増えていきます。

博士課程の修了要件には論文何報以上と決められている場合が多く、これを満たせない人は修了できません。なので、50%ぐらいの人は3年間で学位を取得できていないのが現状です。

さらに、博士課程の期間は研究で忙しくなるため、アルバイトをする時間もあまりありません。

しかし、最近は博士課程進学者への奨学金制度が増えてきています。

  • 日本学生支援機構の奨学金
  • 民間の奨学金
  • 大学独自の奨学金

わたし「まだ」は、大学独自の給付型奨学金(入学料・授業料免除かつ毎月15万円の給与)をもらって研究をしていました。

また日本学術振興会の特別研究員(DC1、DC2)に採用されると、毎月20万円がもらえ、さらに研究費として年間150万円が使えます。

このような支援制度を上手く利用すると、経済的負担は下げられるでしょう。

ちなみに…

アメリカでは学費が年間300〜500万円します。しかも博士課程は日本と違って5年間あります。経済的負担が半端ないですね…。

第2位 就職率が低い

POINT

博士課程の就職率は約68%

博士課程の就職率は68%と、学部卒(74%)や修士卒(76%)の就職率に比較して低くなっています。

博士は3人に1人は就職できていないことになります。

参考にしたサイト:令和3年度学校基本調査(文部科学省)

博士課程の就職率の低さには2つ原因があると考えています。

第3位 社会に出るのが遅れる

POINT

最短でも就職は27歳

学部4年間、修士2年間を経て、博士3年間となるため、博士号を取得し就職する頃には最低でも27歳になります。

先程も記載したように、博士課程は3年ではなく、4年や5年になることもあり、また、それ以前にも学部や修士の留年、受験期の浪人などがあるとより社会に出るのは遅れます。

27歳まで働かなくて済むととらえられる人にとってはデメリットではないかもしれません。

しかし、博士課程を修了する頃には、学部や修士で卒業した人たちは、社会人6年目や3年目となるので、既に部下ができたりしており、社会経験という面では大幅に遅れを取っています。

遅れれを取っていると感じるだけかもしれませんが)

最近は少ないと思いますが、年齢の割に社会経験がなく、企業によってはマイナスイメージを持たれます。

人生80年、100年時代なんて言われてる中で、そのうち3年ぐらい社会に出るのが遅れても問題ないと考えてはいますけども(笑)。

ちなみに、メリットとして27歳まで学割が効きます。(笑)

第4位 孤独とプレッシャー

POINT

博士課程の3年間は孤独とプレッシャーとの闘い

そして、その不安は博士課程になっても続きプレッシャーへの変わっていきました。

楽しく研究して学位が取れればベストですがやはりそう簡単にはいきません。

私も博士2年までは論文がなく、3年目で3報書くことができました。2年目までは必死でしたね。(笑)

また、学部や修士の友達はほぼみんな社会に出ていってしまうため、孤独感を感じます。

研究に集中できなければ、孤独とプレッシャーは増すばかりだと思います。

博士課程ではこういったメンタル面でのデメリットもあります。

第5位 旧友から変人扱い

POINT

旧友に博士課程に進学して研究していると言うと変人扱いされます(笑)

博士課程まで進学する人の割合は学生全体の2.6%しかいません。

博士課程に進学する人は、研究が好きで、興味がある人がほとんどです。

そこまで大学に残って研究をしたいと思う博士課程生は変人なのかもしれません。(笑)

まとめ

今回は、博士課程進学のデメリットについて記載しました。少しでも参考になれば幸いです。

博士課程進学 デメリットランキング

  • 経済的に負担がかかる
  • 学部卒や修士卒に比較し就職率が低い
  • 社会に出るのが遅れる
  • 孤独とプレッシャーを感じる
  • 旧友から変人として見られる

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