研究職

50代でポスドクは厳しい!?実は10%くらいは50代ですが、30代で助教などの任期なしの職に就けてないならやばいです。

今回記事を担当するのは「まだ」です。

「まだ」は高校まで地元の田舎町で育ちました。

田舎といっても地方都市にはいまして、現在、地方大学の教育・研究職(助教)として働いています。

研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってから修士課程・博士課程と研究を続け、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。

将来、大学で研究者として働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

これまで私「まだ」はいくつかの大学でポスドクや助教を経験してきましたし、また沢山のポスドグの方達と関わってきました。

今回は、「まだ」の経験から

  • ポスドクとは
  • ポスドクの現状
  • 50代でポスドクは厳しい!?

などについて記載していきます。

👇本ブログは「まだ」・「だま」の2人で運営中

研究職とは

研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。

研究職は「基礎研究」「応用研究」に分類できます。

基礎研究

基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。

基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。

応用研究

応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。

応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。

ポスドクとは

まず始めにポスドクとは何かについてお話します。

ポスドクとは・・・

ポスドクとは、ポストドクターの略で大学院博士後期課程を修了後に就く、大学等の研究機関での任期付きの研究職のポジションのことです。

  • 任期はおおよそ3~5年が多いです。
  • 博士研究員とも呼ばれます。
  • 日本全国にポスドクは約1万5000人います。

ポスドクも研究職なので研究をするわけですが、自分で考えた研究を自由にできるわけではなく特定のプロジェクトの遂行のために働きます。また、大学教員のように教育に従事することはできません。

ということで、ポスドクはあるプロジェクトの遂行のために雇用されるポジションで任期(3~5年)が終わると次の仕事を探していく必要があります。

任期満了になり何度も研究機関を渡り歩くことも普通にあります。

正直、ポスドクは大変です。。。

ポスドクの人は皆、早い段階で任期の定めのない助教などのパーマネント職に就くことを目指して日々研究しています。

「まだ」は大学院博士課程を修了してから、ポスドク(任期付き)⇒助教(任期なし)⇒助教(任期付き)を経験しました。※ちなみに、任期なし⇒任期付きは特殊なケースです(笑)

「まだ」の周りでもたくさんのポスドクを見てきました。

それらの経験から

  • 「ポスドクの現実」
  • 「50代でポスドクって厳しい!?」

について記載していきます。

ポスドクの現実

さてここから、データに基づいてポスドクの現実についてみていきましょう。

  • 日本に約1万5000人いるポスドクの平均年齢は37.5歳です。
  • ポスドクの約60%は30代が占めています。
  • 50歳以上はというと、9.8%います(2018年度)。1万5000人のうち1500人は50歳以上ということになります。

※文部科学省 科学技術・学術政策研究所の調査「 ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2018年度実績)」を参考にしています。

多いのか少ないのか微妙ですね。

ちなみに、2015年は6.9%だったため3年で3%増大しています。

この傾向は今後も続いていきそうです。

50代でポスドクは厳しい!?

上記のように、50代以上でもポスドクをしている研究者はそこそこいます。

しかし、「まだ」はこれまでいくつかの大学を経験してきましたが、50代でポスドクをしている人は見たことがありません。
(見てはいるけど50代なので見た目でポスドクとはわからなかったのかもしれませんが)

ポスドクで最も多いパターンは、博士号を取得(30歳ごろ)してから5年間ほどポスドクをして、35歳で任期なしの職につく流れです。

35歳が一つの大きな区切りになります。

40歳になるまでに任期なしの助教か准教授(講師)の職に就けてないと相当厳しいと思います。

ポスドクの博士課程修了後の経過年数についてです。

  • 5年以下: 60.6%
  • 6~10年: 18.7%
  • 11~15年: 9.0%
  • 16~20年: 4.5%
  • 21年以上: 5.0%

※文部科学省 科学技術・学術政策研究所の調査「 ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2018年度実績)」に以下のデータがあります。

このデータより、5年以下が60.6%に対し、6~10年は18.7%と大幅に減少していることがわかります。

これは、多くの人がポスドクになって5年以内(35歳まで)に正規のポジションについているということを示唆しています。(大学か企業かはわかりませんが)

大学でポスドクをして、大学で働くことを諦めて、企業の研究職に就く人も結構います。

企業の研究職は大学の研究職に比較し、募集人数が多く研究業績(論文など)はそれほど重視されないため、比較的容易に就くことができます。

つまり、6~10年、11~15年、16~20年、21年以上と年数が増えるほど、大学で研究をすることに固執している可能性が高いです。

正直、40歳を過ぎると企業に就職するにも厳しくなってきます。50代はもっとやばいです・・・。

なので30代で大学で正規の職を掴むのが厳しいと思ったら40歳になるまでに企業の道を考えた方がいいと思います。

👇本ブログでは「研究職を目指すにあたって学生時代にやっておくとよいこと3選」についても記載しているので、是非そちらもご覧ください。

まとめ

今回は、50代でポスドクは厳しいのかについて記載しました。以下にまとめます。

  • 1万5000人のポスドクのうち、50代以上は約10%(1500人)
  • 長くポスドクを続けている人は、大学で働くことに固執している場合が多い
  • 博士課程を修了して5年以内または10年以内に大学で正規の職に就ける見込みがなければ、企業の研究職を真剣に考えるべき

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