研究職

博士課程進学やめとけ!博士課程に進学しない方がいい人の特徴

今回記事を担当するのは「まだ」です。

「まだ」は高校まで地元の田舎町で育ちました。

田舎といっても地方都市にはいまして、現在、地方大学の教育・研究職(助教)として働いています。

研究に関しては、大学4年生のときに研究室に入ってから修士課程・博士課程と研究を続け、かれこれ約10年ほど研究ばかりしています。

将来、大学で研究者として働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

私「まだ」は博士課程まで進み、無事、博士号取得後、助教を経験してきました。

今回は、「まだ」の経験から

  • 博士課程とは
  • 博士課程の闇 4選
  • 博士課程に進学しない方がいい人の特徴 3選

などについて記載していきます。

研究職とは

研究職は学術的アプローチにより、これまでにない技術や理論を創出する仕事です。

研究職は「基礎研究」「応用研究」に分類できます。

基礎研究

基礎研究は、まだ発見されてない未知の物質や原理を発見し、そのメカニズムなどを理論的に解明していく研究のことです。

基礎研究は、より学術的なアプローチが求められ、大学や国の研究機関で行われている場合が多いです。

応用研究

応用研究は、基礎研究により発見された知識を利用して、実用化に向けて発展させる研究です。

応用研究は、新しい物質や原理を利用して、製品やサービスをつくり出すため、企業で行われる場合が多いです。

博士課程とは

博士課程とは

博士課程(Doctoral Program)は、高等教育の一環として提供される学位プログラムの一つで、博士号は最高学位になります。主に大学で提供され、専門分野を学術的視点からより深く研究することで、学生が高度な専門知識と研究スキルを習得し、独自の研究プロジェクトを実施することを目的としています。

日本では博士号を取得するのに最短で3年間必要になります。3年間うちに修了要件を満たす必要があります。修了要件は大学によって異なりますが、授業を受けて獲得する単位(10単位程度)と、学術論文1~2報の出版が一般的です。学部のように授業をたくさん受けて4年間で124単位も取得する必要はなく、博士課程では研究がメインになります。そのため研究活動に時間を費やし、学術論文の出版に向けて努力します。

博士課程の闇 4選

博士課程に進学するのはやめておいた方がいいなどとよく耳にすることがあると思います。ここでは実際に「まだ」が経験した博士課程に闇について記載していきます。

博士課程の闇 その1: 大学教授になれるのはほんの一握り。

博士課程に進学する人の多くは将来大学教員を目指している人が多いです。大学教授になれる確率は、博士課程入学者のうち40歳代で30%前後です。教授になるには、一般に博士課程修了後、ポスドク → 助教 → 准教授(講師) → 教授 と昇進していく必要があります。ポスドクや助教は任期付き雇用のケースが多く、任期が満了すると大学を異動する必要があります。いくつも大学を渡り歩き、それでも常勤の職に就けず、最終的に大学の道を諦め、民間企業等で就職した人をたくさん見てきました。さらに、大学は超学歴社会です。大学教員のほとんどは旧帝大出身者が占めています。つまり、地方の無名大学から大学教授を目指すのは、非常に難しいということです。

参考元:lecture's blog | 大学教員になれる確率

博士課程の闇 その2: 研究に費やす時間が長い。

博士課程を修了するには、学術論文1~2報程度を出版する必要があります。3年間あれば余裕だと思われるかもしれませんが、そう甘くはありません。研究なので誰も答えを知りません。やってみないとわかりません。特に実験系の研究の場合、実験に費やした時間と成果は比例します。わたし「まだ」は博士課程時代、朝9時から夜10時まで土日も含め毎日のように研究して論文2報出版しました。海外では博士号取得に5年必要なところが多く、3年で論文1~2報出版が難しいことがわかります。一方、同じ研究室で修士課程と博士課程を経験する場合、博士課程開始時には2年のアドバンテージがあるので、比較的容易に論文は出しやすいと思います。

博士課程の闇 その3: 指導教員と馬が合わないと辛い。

博士課程の3年間は指導教員(研究室の主宰者)の下で研究をします。指導教員とコミュニケーションを取り良好な関係を築くことは研究を進める上で非常に重要です。わたし「まだ」はこれまで、指導教員に嫌われてまともに指導してもらえなくなった博士学生をたくさん見てきました。そのような学生の多くは学位取得に必要な論文を掲載できず、留年・退学していました。大学の教員は変わった人が多く、時に理不尽なことも要求してきます。例えば、学生がいくら良い実験結果を出しても、それが指導教員のアイデアから生まれたもので無ければ受け入れてもらえないケースもあります。同じ研究室で修士課程から博士課程に進む場合、修士課程の間に指導教員の性格はある程度わかりますが、博士課程からだとなかなか見極めるのは困難ですので気を付けましょう。

博士課程の闇 その4: 経済的な負担が大きい。

博士課程3年間の学費は、国公立大学で約160万円、私立大学で約220万円です。それに入学金が20~30万円加わってきます。居住費や食費等も加味すると、国公立大学で月々10万円以上負担しなければなりません。なので多くの学生は奨学金を受けて取っているケースが多いです。最近では、返済不要の給付型奨学金も増えてきていますが獲得競争は激しいです。また、博士課程の経済的支援制度として日本学術振興特別研究員(DC1, DC2)や、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)などが提供する支援制度があり、採択されれば経済的負担は軽くなりますが、これも狭き門です。なのでアルバイトをしている博士課程もいますが、研究とアルバイトを両立するのは極めて難しくどっちつかずとなってしまうケースが多い印象です。

博士課程に進学しない方がいい人の特徴 3選

特徴1: 研究がそれほど好きでない。

研究に興味が持てず、モチベーションが無ければ、3年間で博士課程を修了するのは難しいでしょう。逆に、好きな研究であれば、何も言われなくても研究して、論文が書けるでしょうし、困難に出くわしても折れずに頑張れるでしょう。何でもそうかと思いますが、興味が持てるかどうかは重要です。研究への興味は、ある程度その研究を続けてみて湧くものだと思うので、まずやってみるというのも大事です。

特徴2: 主体的に行動できない。

主体的に行動できない人は博士課程に進学しても苦労するでしょう。博士課程では仮説→検証を繰り返して研究を進めていきます。そのプロセスを毎回、指導教員に相談して指示を仰ぐようではダメです(研究を始めて直ぐはわからないことも多く、逐一指導教員に相談することは大事です)。博士号を所得するということは、研究者として独り立ちする資格を得るということですので、主体的に行動できなければ通用しません。

特徴3: ストレスに弱い。

博士課程では様々(研究・コミュニケーション・経済面)なストレスを感じると思います、最も大きいのが指導教員から受けるストレスです。上記のように指導教員と馬が合わない場合、何をするにしてもストレスを感じるでしょう。特に博士課程の半分(1年半)が過ぎたタイミングで論文が1本も出版できていなければ、残りの1年半は相当なプレッシャーを指導教員から受けることになるでしょう。これまで「まだ」は、指導教員からのプレッシャー(パワハラ?笑)で博士課程の途中で退学した学生をたくさん見てきました。

まとめ

今回は、博士課程の闇と進学しない方がいい人の特徴ついて記載しました。博士課程へ進学しない方が良い人の特徴を以下にまとめます。

  • 研究がそれほど好きでない。
  • 主体的に行動できない。
  • ストレスに弱い。

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