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地方で年収300万あれば十分?なんなら贅沢な生活が可能?地方で年収300万のリアルを解く。

2023年12月9日

カンタン自己紹介

  • 大卒で契約社員年収200万からスタート
  • その後正社員で中小企業・ベンチャー企業・大企業と様々な企業を経験
  • 20代で年収500万以上まで上げる
  • 社会人生活はずっと地方で生活

こんにちは。「だま」です。

社会人からはずっと地方都市で暮らしています。もうはや10年以上の時が経ちました。

仕事柄、東京に行く時もありますし、大学の時は関東圏にいたので経験もありますが、

東京の家賃は本当に高い。

その点、地方はたしかに家賃が安い。

生活費の大きな構成要素である家賃が下がれば、たしかに自由に使えるお金が増えそうですよね。

東京で年収300万であれば物足りない感じを受けますが、地方では十分生活していけるのでしょうか?

いや、なんなら欲張って裕福に生活していけるのでしょうか?

ということで今回は「地方で年収300万の暮らし」について記載していきます。

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年収300万円の手取り額は?

年収300万円の手取りは約240万円

所得税が約6万円、住民税が約12万円、社会保険料が約42万円、計60万円が引かれて手取り240万くらいです。

ボーナスなしの場合

月に換算すると手取り約20万となります。

ボーナスありの場合

月に換算すると手取り約17万となります。

(※ボーナスを年2か月分とした場合)

年収300万は平均より高い?低い?

令和3年分 民間給与実態統計調査」によると

  • 平均年収は443万円
  • 男性は545万円
  • 女性は302万円

となります。

年収300万は、平均年収以下であり、男性の平均年収には大きく差が開いており、女性の平均年収よりも低い年収となります。

年収300万自体は高くないことがわかりましたね。

とはいえ年収300万という金額感で40代や50代といった年齢層も含まれる全体の平均年収からみると高くないことは当たり前。

なので、世代別の平均年収をみていきましょう。

年齢平均年収
19歳以下133万円
20~24歳269万円
25~29歳371万円
30~34歳413万円
35~39歳449万円
40~44歳480万円
45~49歳504万円
50~54歳520万円
55~59歳529万円
60~64歳423万円
令和3年分 民間給与実態統計調査」より

年収300万が平均年収として超えている年齢は20~24歳までなので、年収300万は年齢を考慮してもそこまで高い年収ではないですね。

地方で年収300万なら高い?

実はそんなことはありません。

各地方の都道府県の平均年収をみていきましょう。

※北海道・沖縄及び各地方の人口が1番多い・少ない都道府県を選出。

都道府県平均年収
東京都(全国1位)524万円
北海道(全国29位)396万円
宮城県(全国27位)400万円
秋田県(全国44位)356万円
愛知県(全国3位)457万円
福井県(全国24位)400万円
大阪府(全国4位)471万円
和歌山県(全国21位)414万円
広島県(全国12位)419万円
高知県(全国38位)387万円
福岡県(全国18位)415万円
佐賀県(全国41位)367万円
沖縄県(全国47位)361万円
「令和3年賃金構造基本統計調査」及び「令和3年分 民間給与実態統計調査」より計算

全国の平均年収は443万円でしたが、各地方の主要都市がある都道府県はもちろん、各地方で1番人口が少ない県と比較しても年収300万円を下回ることはありません。

地方だからといっていきなり年収300万円は平均以上だ!ということにはなりません。

中央値ならどうか?

さて、中央値でみるとどうなるのか?

平均値は突出したデータがあると実態との乖離が生まれてしまうので中央値でも年収を確認しましょう。

  • 平均値:データの合計をデータの個数で割って得られる値
  • 中央値:データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値

例えば5人の年収が200万、250万、300万、350万、1,500万だとすると、

  • 平均値:520万
  • 中央値:300万

となります。

それでは、代表的な都道府県の年収中央値をみていきましょう。

都道府県平均中央値
東京都472万円
北海道356万円
宮城県360万円
秋田県320万円
愛知県411万円
福井県360万円
大阪府424万円
和歌山県373万円
広島県377万円
高知県348万円
福岡県374万円
佐賀県330万円
沖縄県325万円
「令和3年賃金構造基本統計調査」及び「令和3年分 民間給与実態統計調査」より計算

残念ながら年収中央値でみたところで、年収300万は各都道府県の年収中央値を超えることができません。

つまり、年収300万は東京においてはもちろん、地方においても真ん中より下となります。

年収300万では地方でも決して高くはありません。

年収300万は地方でも意外と厳しい

そうなのです。

ど田舎なら話は別ですが、年収300万自体は地方でも高くはありません。

地方の生活費が安いのは事実です。

しかし、年収300万が地方でも年収中央値を超えてないことから、年収300万では地方でも意外と生活は厳しいです。

【★】都道府県別1カ月間の平均生活費(二人以上の世帯)

都道府県1カ月間の平均生活費
(二人以上の世帯)
東京都区部(東京都)321,633円
札幌市(北海道)277,737円
仙台市(宮城県)287,781円
秋田市(秋田県)275,545円
名古屋市(愛知県)319,344円
福井市(福井県)274,299円
大阪市(大阪府)265,161円
和歌山市(和歌山県)263,910円
広島市(広島県)291,402円
高知市(高知県)284,828円
福岡市(福岡県)286,265円
佐賀市(佐賀県)273,822円
那覇市(沖縄県)251,735円
家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」より

※こちらの生活費は毎月の収入から貯金する支出を含みません。

生活費が一番安いのは「那覇市(沖縄県)」ですが、それでも1カ月の生活費が約25万円はあります。

年間でいうと約300万円の支出となります。

年収300万円の手取り金額は約240万円でした。

こちらは二人以上の世帯の生活費の平均とはなりますが、残念ながら年収300万円の片働きでは、地方で生活しようが-60万円の赤字となります。

つまり、

片働きの場合、年収300万円では地方で平均的な生活もできない

ということになります。

共働きならどうか?

【★】都道府県別1カ月間の平均生活費(二人以上の世帯)ですが、住居費が低すぎます。

例えば「東京都区部(東京都)」の生活費をみたときに、生活費合計が321,633円に対して、住居費が29,988円となります。

家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」では、持ち家の方も調査対象となっており、また持ち家の方でローンを支払っている割合が明記されていません。

例えば東京都で二人以上の世帯において、家賃が約3万円ということはほぼほぼないに等しいでしょう。(特に平均ということであれば。)

なので、住居費が低くなってしまった分、家賃は妥当な金額で計算すると、生活費合計が321,633円よりも高くなります。

ということで、【●】各都道府県の家賃(住居費)を平均値にした1カ月の平均生活費はこちらになります。

都道府県1カ月間の生活費平均
(二人以上の世帯)
東京都区部(東京都)384,955円
札幌市(北海道)318,901円
仙台市(宮城県)333,211円
秋田市(秋田県)321,536円
名古屋市(愛知県)357,893円
福井市(福井県)331,177円
大阪市(大阪府)319,576円
和歌山市(和歌山県)307,901円
広島市(広島県)333,505円
高知市(高知県)325,466円
福岡市(福岡県)334,794円
佐賀市(佐賀県)307,851円
那覇市(沖縄県)290,699円
家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」及び「全国家賃動向[全国家賃管理ビジネス協会](2022年11月調査)」より計算

いかがでしょうか?

こちらの方が実態に即している金額になっているかと思いますので、共働きについてはこの金額で考えていきましょう。

単純に世帯としての手取り額は片働きの倍になりますから、年間の手取り収入は240万円×2=480万円となります。

【●】をみたときに、一番生活費が高い「東京都区部(東京都)」の1カ月の平均生活費が384,955円ですから、年間の支出は約462万円となります。

一番生活費が安い「那覇市(沖縄県)」の1カ月の平均生活費が290,699円で、年間の支出は約349万円となります。

東京でも地方でも年収300万円の共働き(手取り480万円)なら平均的な生活は送れるということになります。

こちらはよくあるご自身の年収が300万で、パートナーがパートやアルバイトで収入を得ており、年収130万以下に抑えているパターン。

「130万円の壁」なんて言われますが、例えば結婚していて、ご自身の年収が300万円でパートナーの年収が130万円以上になると、パートナーは社会保険に入らないといけなくなり、手取り額が大きく減ってしまうというものですね。

詳しくはこちら:「配偶者のパート年収はいくらにするべきか」税理士が教える"パートの4つの壁(PRESIDENT Online)

仮にパートナーの収入を130万の壁ギリギリ手前の129万円としましょう。

年収129万円だと住民税や所得税が少し発生し、そのまま手取りではないのですが、今回は年収129万円がそのまま手取りと考えます。

世帯としての手取り額は、年収300万円の手取り240万円+パートナーの手取り129万円=369万円となります。

「東京都区部(東京都)」の年間支出は469万円でしたから、年収300万でパートナーがパートやアルバイトではさすがに平均的な生活をするのは厳しいです。

369万円は年間収入なので、これを12ヶ月で割ると、369÷12ヶ月=1ヶ月の収入307,500円となります。

これを【⚫︎】と比べてみましょう。

支出の方が多い金額は赤字、収入の方が多い金額は青字で色付けします。

都道府県1カ月間の生活費平均
(二人以上の世帯)
東京都区部(東京都)384,955円
札幌市(北海道)318,901円
仙台市(宮城県)333,211円
秋田市(秋田県)321,536円
名古屋市(愛知県)357,893円
福井市(福井県)331,177円
大阪市(大阪府)319,576円
和歌山市(和歌山県)307,901円
広島市(広島県)333,505円
高知市(高知県)325,466円
福岡市(福岡県)334,794円
佐賀市(佐賀県)307,851円
那覇市(沖縄県)290,699円
家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」及び「全国家賃動向[全国家賃管理ビジネス協会](2022年11月調査)」より計算

生活費が1番安い「那覇市(沖縄県)」以外では、年収300万+パート・アルバイトの収入があったところで、地方でさえ平均的な生活を送れない可能性の高いってことですね。

年収300万円で地方の平均的な一人暮らしは可能

とはいえ、年収300万あれば地方の平均的な一人暮らしは可能です。

全国的な一人暮らしの平均生活費はこちらです。

住費以外の生活費については、「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」から引用した「消費支出の費目別対前年実質増減率」の「単身世帯」を参考にします。

こちらのデータですが、「単身世帯」の住居費については23,322円と、先程と同じでかなり低い値になっています。

ということで家賃だけは以下のデータで考えます。

合計金額を合わせると・・・

項目金額
家賃など住居費60,000円
食費43,276円
光熱・水道費13,098円
家具・家事用品費5,613円
被服及び履物費5,280円
保健医療費7,441円
交通・通信費19,344円
教養・娯楽費18,700円
その他の消費支出25,678円
合計198,430円

平均的な一人暮らしの生活費は「198,430円」

年収300万円はボーナスなしなら月手取り20万円なので、全国的な一人暮らしの平均生活費を賄えますね。

ちなみに地方で一人暮らししていた時の生活費はこちら。

項目金額
家賃など住居費43,000円
食費28,000円
光熱・水道費12,000円
家具・家事用品費5,000円
被服及び履物費3,000円
保健医療費3,000円
交通・通信費30,000円
教養・娯楽費15,000円
その他の消費支出20,000円
合計159,000円

地方のレベル感でいうと、各地方で人口が多い主要都市ではなく、どちらかというと人口が少ない地方都市での一人暮らしです。

食費はかなり節約してました。家賃は東京や地方主要都市と比べると安いので、合計として159,000円くらいの生活費に抑えれていたかと。

これだと年間にすると、年間支出は約190万円くらい。年収300万円の収入が手取り240万円なので、50万円くらい貯金ができる計算です。

結論:年収300万は地方で贅沢できるのか?

これまでの内容からもわかるように贅沢というには厳しいですね。

たしかに、地方では特に家賃において東京との生活費に差があり、東京よりは生活費が安いです。

しかし年収300万円(手取り約240万円)では贅沢というには不十分です。

一人暮らしでも全国平均の生活費198,430円を少し上回るくらいの手取りしかもらえません。

贅沢という意味なら地方主要都市より、もっと地方の地方都市なら可能性はあります。

二人以上暮らしでも、共働きでパートナーの年収も自分と同じ年収300万円かそれ以上ないと、節約した質素な生活となるでしょう。

10年間住んでみてわかった『地方で収入を上げる確率が一番高い方法』はこれでした

お金はあるに越したことはありませんし、年収は高いに越したことはありません。

10年間地方に住んでいる間に年収を上げるために色々と試行錯誤してきました。

地方には年収を上げる方法が少ないと思われるかもしれませんが、これほどインターネットが普及した時代において、地方でも年収を上げる方法は一般的なものであれば普通にありますし、実行することが可能です。

  • 会社での昇給
  • 副業
  • 起業
  • 投資
  • 転職

10年間の間にこれら全てを地方で実行しました。

10年間の間に収入上がった額はこちらです。

  • 会社での昇給→会社の昇給では10年間で合計+60万円年収が上がった
  • 副業→1年半で1円も稼ぐことができなかったが現在も継続中
  • 起業→1度起業をしたが、諸々の初期費用だけが掛かり、結果-150万円の損失を出した
  • 投資→ここ2年くらいはNISAで挽回したものの個別株投資の損失が大きく、10年間で合計-140万円という結果に
  • 転職→10年間の間に転職を3回行ったが、毎回100万円程年収が上がったので合計+300万円

結果としてはこうでした。

副業で時給何円のアルバイトをやるというのは、確実に稼げるとは思いますが、自分の時間を大きく削り小さくしか稼げないため実行しませんでした。

やっぱり年収や収入を上げるのって難しいですよね。

会社内での昇給はそこまで上がりませんでした。

「会社で昇格して給料あげるぞ!」なんて意気込んでましたが、結局会社というのは本当に圧倒的な結果を出さない限り、どれほど頑張ってもその会社の給料の範囲内でしかあがりません。

つまり、先輩・上司や同期で自分よりも優秀で成果を出している人がいて、その人の給料が年収500万くらいなら年収500万を超えることはないわけです。

副業とは本ブログのことです。

絶賛実施中ですが全然稼げていません。

月25,000円くらい稼げそうな月もありましたが、結局成約とはならず、それ以外の月はうんともすんともです。

これからも続けてはみますが、本業の仕事が終わってor始まる前に副業を行なっているので体力的にもかなりしんどいです。

一度起業もしてみましたが盛大に失敗しました。

そもそも確率論的にもかなり低いです。起業から10年までの間に潰れる会社は93%くらいです。

自分の実力次第では潰れる確率を下げることもできるでしょうが、起業してみて思ったのはかなりの覚悟が必要だと感じました。

これも全体でみると損失でした。

NISA(積立)のおかげで徐々に挽回できていますが、個別株の失敗が大きく、-190万の損失を出していたので、それが大きく響いてます。

投資ももちろん一筋縄ではいかないなと。

結局は転職が一番収入(年収)が上がりましたね。

年収の上り幅としてはこんな感じです。

  • 1社目→2社目 120万UP
  • 2社目→3社目 84万UP
  • 3社目→4社目 100万UP

もちろん在籍した会社では成果も出しました。

朝早くから夜遅くまで頑張ることも多々ありました。

もちろん転職で収入(年収)を上げていくことも簡単ではありませんよ。

ただ、色々収入を上げる方法を試してみましたが、転職が安全で一番手っ取り早いですね。(爆発的に上がることもないですが)

起業や投資ほどの一気に財産を失うこともないですし、爆発的な上り幅はないとはいえ、副業で年間100万の収入を得ようとしたら骨が折れます。

会社での昇給も、先程も書いたように自分と同等か自分よりも優秀な上司・同僚の給料までしか上がらないですし。

ということで、10年間住んでみてわかった『地方で収入を上げる確率が一番高い方法』は転職でした。

まあこれは地方だろうが都会だろうがそうかもしれませんね。

けど1回の転職で年収100万以上上げるとかも普通にあったので、地方で転職しても年収は上げることは可能です。

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まとめ

  • 地方で年収300万は平均よりも低い
  • なんなら年収中央値よりも低い
  • 一人暮らしなら十分生活はできるが贅沢ではない
  • 二人以上暮らしならパートナーがパート・アルバイトをしても生活水準は平均かそれ以下
  • 10年間地方で住んでみたが収入を上げる確率が一番高い方法は転職を繰り返すこと

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